ホテルの経営形態についてわかりやすく解説!知っておきたい2つの経営形態とメリット、デメリット(リスク)とは | innto(イントゥ)

ホテルの経営形態についてわかりやすく解説!知っておきたい2つの経営形態とメリット、デメリット(リスク)とは

ホテル経営と一口にいっても、大規模なホテルチェーンから小さな個人経営のペンションまで、規模や種類に応じてさまざまな経営形態があります。このためホテル事業に参入する際は、まずホテルならではの経営形態について理解し、具体的な事例を知ることが必要不可欠です。

今回は、ホテルの2つの経営形態と、そのメリット・デメリット、具体例について説明します。

ホテルの経営形態とは

ホテル事業には、「所有」、「経営」、「運営」のそれぞれを担当する当事者がいます。これらはひとつの法人や個人が兼ねることもあれば、複数の当事者で分担することもあります。

まず、ホテルの所有とはホテルの建物自体や土地などを「持っている」ことです。たとえば自分のお金で土地を買い(もしくは借り)、そこに自分のお金でホテルを建てたなら、その人はホテルの所有者です。

次いで、ホテルの経営とはホテル事業で「利益を上げるため体制をつくる」ことです。ホテルの経営者には、スタッフを雇う、サービスの方針や内容を決定するといった役割があります。

ホテルの運営とは、ホテルの建物と体制を使って「事業を実行する」ことです。手元にある建物やスタッフ、決められたサービス方針や内容に基づき、実際にホテルを切り盛りしていきます。

経営形態と運営形態の違い

ここまで理解していただけたら、次はホテルの経営形態と運営形態についての説明です。

まずホテルの経営形態とは、「ホテルをどのように経営するか?」という点に注目した分類です。具体的には、ホテルをまるごと経営する「単独経営」か、ホテルチェーンを経営する「チェーン経営」という2つに分けられます。

これに対してホテルの運営形態とは、ホテル事業の「ビジネスモデル」のことです。経営形態には、「所有直営方式」「リース方式」「フランチャイズ方式」「マネジメント・コントラクト方式(MC)」など、さまざまな分類方法があります。

運営会社が経営をする形式「単独経営」

「単独経営」とは、ホテルの所有・経営・運営のすべてをひとつの法人、もしくは個人で担う経営形態です。オーナー自らが組織・体制を作り上げ、事業を実行するもので、ホテル経営の基本形ともいえます。

単独経営の代表的なホテルは、帝国ホテル、プリンスホテル、リーガロイヤルホテルなどです。個人経営のペンションや民宿、温泉旅館、小さいホテルなどの中にも、単独経営しているところがあります。

単独経営では経営者兼運営者がホテルの不動産を所有しているため、特に金融機関からの融資を受ける場合などに有利です。

また世の中のブームに合わせて建物の増改築を含む経営判断を迅速に実行するなど、機動性の高いホテル運営が可能なのも強みといえます。

その一方、もともと土地や建物を所有している、あるいは土地を取得して建物を建設するだけの豊富な資金力がないと、単独経営はできません。売り上げが低迷すれば収入も連動して下がるため、比較的リスクが高いのがデメリットです。

コンビニと同様の「チェーン経営」

「チェーン経営」とは、ホテルの所有・経営・運営が分離している経営形態です。コンビニ業界と同様、複数の施設をチェーン化することでスケールメリットが発生し、効率的なホテル経営が可能になります。ホテル業界のチェーン経営には、主に以下のような運営形態(ビジネスモデル)があります。

リース方式

リース方式とは、ホテル運営会社がホテルの所有者にリース料を支払い、「経営と運営」を担う方式です。リース料は一般的に、「基本料+売り上げの一定割合」です。また土地や建物を持っている会社が、ホテル運営に特化した系列子会社を設立して経営を任せる場合もあります。

リース方式は、たとえホテル事業の売り上げが低迷しても一定のリース料が発生し続けるという点で、ホテル所有者にとってはメリット、経営者兼運営者にとってはデメリットとなります。

一方、不動産を購入・建設する資金がなくてもホテルの経営・運営に参入できるという点は、経営者兼運営者にとってのメリットとなります。

リース方式の代表的な例は、東横インやホテルルートインなどのビジネスホテルです。

フランチャイズ方式

フランチャイズ方式とは、建物の所有者がフランチャイジー(加入者)となり、ホテルチェーン本部に加盟料とロイヤリティを支払ってホテル経営と運営をする形態です。

所有・経営・運営を同一の法人や個人が担うところは「単独経営」と似ていますが、大手ホテルチェーンのブランドと経営ノウハウを利用できるという点に大きな違いがあります。

フランチャイズ方式では、ホテル事業のノウハウを持っていなくてもバックアップを受けられる点、定評のあるブランドを利用することで利用者から信頼を得やすいというメリットがあります。

これに対し、たとえホテル事業の売り上げが低迷しても加盟料やロイヤリティの支払い義務が発生し続けるという点はデメリットといえます。

代表的な例は、アパホテル、スーパーホテル、ホテルサンルートなどです。

マネジメント・コントラクト方式(MC方式)

マネジメント・コントラクト方式とは、ホテル事業の各当事者(所有者・経営者・運営者)が原則として分離していて、それぞれ別個の役割を果たしている形態です。

マネジメント・コントラクト方式は世界中のホテルで採用されていて、さらに「リファーラル方式」「アフェリエイト方式」などの形態に分けられます。また「フランチャイズ方式」も、この中に含まれることがあります。

マネジメント・コントラクト方式では、外部の専門家が運営するため、所有者や経営者の負担が軽くなるという点がメリットです。

代表的な例は、星野リゾート、ホテルJALシティ、オークラホテルズ&リゾーツなどです。

まとめ

今回の記事ではホテルの経営形態について詳しくみてきましたが、そもそもホテル経営は「儲かる」ビジネスなのでしょうか?
結論からいうと、現在ホテル経営には追い風が吹いています。ここ数年でインバウンドが増えており、しかも東京オリンピックに向けてさらに増加が予想されるため、受け皿となる宿泊施設は全国的に不足気味です。

実際、アパホテルのように積極的にチェーン拡大に乗り出し成功を収めているホテル事業者もあります。しっかりした経営形態で臨めば十分に儲かるチャンスがあるビジネスといえるでしょう。

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