OTA(Online Travel Agent)とは?OTAの特徴と国内外のOTAサイトを一覧で紹介 - innto(イントゥ)

OTA(Online Travel Agent)とは?OTAの特徴と国内外のOTAサイトを一覧で紹介

インターネットの普及に伴って登場したOTA(Online Travel Agent)。家にいながら予約を完結できるOTAは、従来型の旅行会社をはるかにしのぐ勢いで成長しています。ホテル経営者にとっても、こうしたOTAの動向は決して無視できません。この記事では、OTAの仕組みや特徴について解説するとともに、国内外の代表的なOTAをピックアップして紹介していきます。

OTA(Online Travel Agent)とは?仕組みや特徴について

OTAというのは、Online Travel Agentの略です。Online(オンライン)はインターネット、Travel Agent(トラベルエージェント)は旅行会社のことなので、OTAは「インターネット上の旅行会社」といった意味合いになります。

ただし、インターネットを活用することがOTAの専売特許ではありません。JTBやHISといった従来の旅行会社も、店舗営業と並行してインターネット販売を行っていますが、これらの旅行会社はOTAとは呼ばれません。では、OTAならではの特徴とはなんでしょうか?

OTAの最大の特徴は、実店舗を持たないという点です。航空券やホテルなどの手配、これらをセットにしたダイナミックパッケージ、ツアー、旅行保険の販売など、サービス自体は基本的に従来の旅行会社と変わりません。むしろOTAならではの売りは、予約から手配まで「すべてをインターネット上で完結している」という点です。利用者は店舗に足を運ぶ必要がないため、世界中のどこからでも、24時間いつでも好きなときに航空券やホテルを検索したり、予約を依頼したり、ツアーに申し込むことができます。この利便性こそが、OTAの魅力というわけです。

また、OTAは店舗を持たないので、営業社員も必要としません。必要なのはインターネット上のシステムと、それを保守運営するエンジニアやオペレーターです。このようなOTAの特徴により、他のさまざまな業界から旅行業界への新規参入が相次ぎました。たとえば「楽天トラベル」を運営するのはネット通販大手の楽天、「じゃらん」は人材業界大手のリクルートといった具合です。

ちなみに、OTAとよく似たものにメタサーチサイト(メタサーチエンジン)というものがあります。これは、複数のOTAを横断検索できるインターネット上のサービスで、特にTripAdvisorやトリバゴなどが有名です。

日本のOTAサイト一覧

ここでは、日本の企業が提供するOTAサイトのうち、特に有名なものを中心に具体的な特徴や、ホテル運営者にとってのメリット・デメリットを紹介します。

楽天トラベル

楽天トラベル

楽天トラベルの運営会社はインタネットショッピングモールの大手、「楽天株式会社」です。楽天がホテルの予約販売に乗り出したのは、今から20年以上前の1996年。当初は86軒のホテルから始まったサービスですが、現在では全国150以上のホテルブランドと、国内34,718軒以上(2019年11月現在)のホテルを扱う巨大サービスに成長しています。そんな楽天トラベルのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:35,000軒近い豊富な登録ホテル数、楽天市場と共通で使える楽天ポイント、クーポン配布などのイベントにより「利用者が多い」
デメリット:掲載ホテル数が多いため情報が埋もれやすい

一休.com

一休.com

一休.comの運営会社は「株式会社一休」です。ホテル予約やレストランの予約事業を行っている会社ですが、親会社はソフトバンク傘下のZホールディングス(旧ヤフー)。掲載ホテル数は他の大手OTAに及びませんが、主にラグジュアリーホテルや高級旅館に特化して「最高品質を」「お得な値段で」提供しています。そんな一休.comのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:ラグジュアリーホテルや高級旅館に力を入れているため、「利用者の嗜好や目的をつかみやすい」
デメリット:ラグジュアリーホテルや高級旅館以外のホテルには利用しにくい

じゃらんnet

じゃらんnet

じゃらんnetの運営会社は、リクルートグループの「株式会社リクルートライフスタイル」です。もともとは株式会社リクルートが国内向けの旅行雑誌「じゃらん」のオンラインサイトとして立ち上げました。掲載ホテル数は約29,000軒(2019年1月時点)で、国内のOTAとしては楽天トラベルに匹敵する規模を誇ります。そんなじゃらんnetのメリット・デメリットとしては以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:約29,000軒の豊富な登録ホテル数、旅行雑誌「じゃらん」との連携により「利用者が多い」
デメリット:掲載ホテル数が多いため情報が埋もれやすい

るるぶトラベル

るるぶトラベル

るるぶトラベルの運営会社は、旅行会社大手の「株式会社JTB」です。もともとはJTBの子会社でインターネット販売部門を管轄する「株式会社i.JTB」が立ち上げ、現在もJTBの公式サイトとは別に運営されているOTAです。登録ホテル数は約17,000軒(2019年1月時点)で、楽天トラベル、じゃらん.netに次ぐ規模を誇ります。そんなるるぶトラベルのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:大手旅行会社JTB系列という「安心感」
デメリット:掲載ホテル数が多いため情報が埋もれやすい

海外のOTAサイト一覧

海外には、日本国内の規模をはるかに上回るOTAサイトが数多く存在します。ここでは日本国内からも気軽に利用できるものを中心に、具体的な特徴や、ホテル運営者にとってのメリット・デメリットを紹介します。

Expedia(エクスペディア)

Expedia(エクスペディア)

Expediaの運営会社は、シンガポールの「BEX Travel Asia Pte Ltd」です。登録ホテル数はアジアを中心に約895,000軒(2019年1月時点)で、オプショナルツアーも豊富に掲載されています。公式サイトのデザインは日本のOTAサイトと遜色ないデザインで、安心感があります。そんなExpediaのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット: アジアのホテルに強い。41カ国語のサイトがあり、アジアを目的地とする世界各国の旅行者が利用している
デメリット:手数料が12〜18%と高額(日本のOTAは10%程度)

Booking.com(ブッキングドットコム)

Booking.com(ブッキングドットコム)

Booking.comの運営会社は、オランダの「Booking.com B.V.」です。登録ホテル数は620万件以上で、ヨーロッパやアジアなど世界各国の宿泊やアクティビティの予約が可能です。公式サイトのデザインも洗練されており、43カ国語に対応しています。そんなBooking.comのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:43カ国語のサイトがあり、世界各国の旅行者の目に触れられる。日本人の利用者も多い
デメリット:インターネット上の口コミが賛否両論に分かれており、利用者が不安に感じることがある

Hotels.com(ホテルズドットコム)

Hotels.com(ホテルズドットコム)

Hotels.comの運営会社は、アメリカの「Hotels.com L.P」です。Hotels.com L.Pはエクスペディアグループの一員で、Expediaと同一仕入れを行っているため、登録ホテル数はアジアを中心に約895,000軒(2019年1月時点)を誇ります。基本的なサービスはExpediaと同じですが、ホテルズドットコム・リワードという独自のポイントサービスを提供しています。そんなHotels.comのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:エクスペディアグループ全体で月間6億7,500万人の訪問数があり、世界中の旅行者の目に触れやすい
デメリット:手数料が12〜18%と高額(日本のOTAは10%程度)

Agoda(アゴダ)

Agoda(アゴダ)

Agodaの運営会社は、シンガポールの「Agoda Company Pte. Ltd.」です。Agoda Company Pte. Ltd.はBooking.comグループの一員で、アジアを中心に925,000軒以上のホテルが登録されています。JALやANAとパートナー契約を結び、Agodaの利用でマイルをためることができるのも魅力です。そんなAgodaのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:アジアに強い。JALやANAのマイルがたまるため、日本人の利用者も期待できる
デメリット:公式サイトが情報の羅列になっており、情報が見にくい

Trip.com(トリップドットコム)

Trip.com(トリップドットコム)

Trip.comの運営会社は、香港の「Ctrip.com (Hong Kong) Limited」です。Ctrip.com (Hong Kong) Limitedは世界中に3億人の会員を抱えるTrip.comグループのメンバーで、Trip.comのサイトには世界200カ国、120万件のホテルが登録されています。また、日本語を話せるスタッフによるカスタマーサポートが受けられるのも特徴のひとつです。そんなTrip.comのメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

メリット:3億人の会員数に加え、世界200カ国で120万件のホテルが登録されており「利用者が多い」
デメリット:ネガティブな口コミやトラブルの報告が検索上位に来ることが多く、「日本国内の利用者が不安に感じやすい」

まとめ

今回は、OTAの仕組みや特徴について詳しく解説しました。特に、従来型の旅行会社との違いや、OTAならではの強みについて理解していただけたことと思います。また、成長著しいOTAの中で特に知名度の高い国内外のサイトがどのような特徴を持っているのかも、お分かりいただけたのではないでしょうか。すでにOTAを活用されている方も、これから活用を検討されていく方も、ぜひこの記事をホテル経営の参考にしていただければ幸いです。

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