旅行や出張でよくあるトラブルのひとつに、「ホテルでの忘れ物」があります。普段とは違う環境や慌ただしいスケジュールの中で、身の回りの小物やチケットなどを部屋に置き忘れてしまうというのは、決して珍しいことではありません。今回の記事では、ホテルに忘れ物をした際の対処方法や注意点について説明します。これから旅行や出張に出かける方はもちろん、ホテルを運営する方もぜひ参考にしてください。
ホテルで忘れ物をしてしまった場合はすぐに電話で確認しましょう!
ホテルをチェックアウトした後、部屋に忘れ物をしたことに気がついた!…このような場合どうしたら良いでしょうか?ホテルを出てすぐ気付いたなら取りに戻ることもできますが、ホテルを出てから時間が経っていたり、自宅に戻ってから忘れ物に気付いたりした場合はそうはいきません。
このようなときは、できるだけ早くホテルに連絡して忘れ物を確認してもらいましょう。連絡方法には電話やメールがありますが、おすすめは「電話」です。メールだと返事が返ってくるまでにタイムラグがありますが、電話なら基本的にその場で対応してもらえます(数分待ったり、折り返しの連絡をもらったりする場合もあります)。
ちなみにホテルからの連絡を待つというのはおすすめできません。なぜなら、ホテルの方から忘れ物について連絡することはほとんどないからです。ホテルの宿泊客の中にはワケありの人もいます。お忍びの旅行だったり、予約した人と宿泊した人が違ったりするケースなどもあります。余計なトラブルを避けるためにも、ホテルの方から連絡をするというケースはめったにないのです。ですから、忘れ物に気付いたら必ず「こちらから」連絡してください。
ホテルに連絡する際は、できるだけ忘れた物について詳細に説明します。どんな物かはもちろん、どこに置いていたか、ゴミ箱に入れた可能性の有無や、いつどこで無いことに気がついたかなど、ホテルのスタッフに参考になりそうなことはすべて伝えましょう。ゴミとして処理された場合でも、時間があまり経っていなければスタッフが徹底的に探してくれます。
ところでホテルでの落とし物は、どれくらいの間保管してもらえるのでしょうか?実は、忘れ物の保管期間は「遺失物法」という法律で決められています。
〜遺失物法 第37条3より一部抜粋〜
“特例施設占有者は、(中略)すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は(中略)三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。”
(参照:警察庁「遺失物法等の解釈運用基準について(通達)」 )
「特例施設占有者」というのは、ホテルや公共交通機関などのことです。 この法律に書かれている通り、ホテルには3ヶ月間、忘れ物を保管する義務があります。もちろんこれは最低ラインですから、ホテルによってはもっと長く、たとえば半年や1年、高級ホテルになると数年単位で忘れ物を保管してくれることもあります。
ホテルを運営する側の方も忘れ物を勝手に処分したりせず、法律の規定や他のホテルの管理方法にぜひ留意するようにしてください。
ホテルの忘れ物は取りに行くか郵送(着払い)かのどちらか
忘れ物が見つかったら、引き取るための段取りを決めます。基本的には「ホテルに取りに行く」か「ホテルから送ってもらう」かの二択です。ホテルの利用は遠方であることが多いため、ほとんどのケースでは送ってもらうことになるでしょう。
この際に注意すべき点は、発送方法と送料の負担です。発送方法には郵送や宅配便などがありますが、どのような方法で送るかは原則としてホテル側が決め、着払いで発送することになります。もちろん品物の大きさや重さによって変わるので、送料がいくらになるかをあらかじめホテルに確認しておいたほうが良いでしょう。
一方ホテルを運営する方の場合、忘れ物をしたお客さまが海外在住の場合は「送れない品物がある」という点に注意が必要です。花火などの火薬類やマッチ・ライターなどの可燃性物質、一部のバッテリーといった危険物は「郵送禁止物品」とされ、海外への郵送はできません。海外から問い合わせがあった場合は、しっかり説明できるようにしておきましょう。
忘れ物が届いた後はお礼状があると良い
ホテルから無事に忘れ物が届いたら、お礼状を送るのがおすすめです。手間をかけてくれたホテルに感謝の気持ちを伝えるだけでなく、忘れ物がきちんと届いたか心配しているホテル側を安心させるという意味もあります。
お礼状の書き方に決まりはありません。メールでも手紙でも構いませんが、緊急性はないので電話は避けたほうが無難でしょう。
どのような文面を送れば良いかわからない、あるいは海外のホテル宛のお礼状をどう書けば良いかわからないという場合は、「ホテル 忘れ物 お礼状」「ホテル 忘れ物 お礼状 英語」などのキーワードで検索すると、日本語や英語の文例が見つかります。
まとめ
今回の記事では、ホテルに忘れ物をした場合の対処方法と注意点について説明しました。ホテルの利用者にとっても運営者にとっても重要な内容となりますので、いざというときのために、ぜひしっかり理解しておくことをおすすめします。この記事が今後の参考になれば幸いです。